不登校児のカウンセリングについて。

こんにちは。
出張カウンセリング・メンタルマネジメントのThe Inner Seed、
心理カウンセラーの松下真由子です。

台風が過ぎて秋晴れが気持ちいいですね。
みなさんはお元気でしょうか?


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先日、学校に行けなくなってしまったお子さんについてのご相談をいただきました。
不登校児のカウンセリングではどんなことをするのか?
どのぐらいで治るのか?
といったお問い合わせを以前にもいただいていたので、
私が初めに受けもった不登校児の経験を、少し書こうと思います。

彼女が学校へ行けなくなったのは、中学1年の時、
いじめがきっかけでした。
クラスの友人や担任の教師が家まで来てくれたり、
電話をくれていましたが、どんどん引きこもってしまい、
人と会話することが殆ど無くなってしまった、そんな状態でした。
もともと外向的な子ではなかったのですが、
お母様が対応に困り果てて、私のところにお問い合わせをいただいたのがきっかけです。

お母様との最初の打ち合わせの際、
すべてお任せします、と言って頂けたことも幸いして、
腰を据えて取り組むことができたケースです。

さて、私がまず何をしたのか?
それは、信頼関係づくりでした。
まず会ってもらうことが目標のかかわり行動ですね。
それから、自己表現が得意ではない彼女の世界観を共有することを意識しました。
具体的に何をしたか?
実は、何回にもわたって同じ部屋で、一緒に黙々と漫画を読んでいただけです。
なんだー、そんなこと?
そんなことのために、6,000円も払うの??
と思われるかもしれませんが、その当時はそれが最善だと思ったのです。


彼女に関わる際に心掛けたことは、親でも学校の先生でもない、第3番目の大人になること。
友達感覚だけれど、友達に自慢したくなるような年上のお姉さん、
かっこいい味方の様な存在になろう、ということでした。
そんなわけで、いつもラフな格好でお宅へ通いました。

何度かそんな風にゆっくりと時間を共有したある時、
じゃあまた来週、と玄関で靴を履いていたら、
その子が自室から漫画を持って出てきて、
「これ、持って帰って来週までに読んできて。」
と手渡してくれました。
で、お母様にいつも通り門の外までお見送りして頂いたのですが、
その時のことが忘れられません。

 

お母様が、門の外でしゃがみこんで涙を流されたのです。

「あの子が話をするために、部屋から出てくるなんて・・・。」

 

声を殺すように、ぽろぽろと涙を流し、先生ありがとうございます、と繰り返すお母様の姿に、
強いショックを受けました。
母親とはこういうものなんだ!こんな思いを抱えて日々、子どもと接しているんだ!
今なら分かりますが、当時はまだ出産の経験がありませんでしたので、
衝撃的でした。

 

それと同時に、お子さん以上に、お母様のカウンセリングの重要性を感じました。

そんな理由もあり、私はお母様のカウンセリングを、
お子さまのカウンセリングと同じくらい大切に考えています。
だって、一番その子に寄り添い、サポートするのは母親だから。
安定して、穏やかであること、そのためにも、お母様自身の心のメンテナンス、コミュニケーションパターンを見直していくカウンセリングは大事です。

 

彼女はその後、徐々に会話が出始め、半年経った頃には「先生」ではなく、「まゆちん」と私のことをふざけて呼ぶようになりました。まだ、家族と私しか話せませんでしたが、顔に表情が現われ始めたのも、この頃です。
自信の喪失、傷つくくらいなら世界を遮断する、自分はいなくなった方がいい。
そんな思いでいっぱいだった彼女は、
カウンセリングの対話の中で、いじめを振り返り、自信を取り戻し、最終的に、夢を語れるまでになります。

「わたし、将来○○になりたいんだ。」

そういった彼女の表情をよく覚えています。
自分の将来に夢を描けるって、すごいことですよ。
それほど、心の体力が回復した証でもあります。

彼女がトライ&エラーを繰り返しながら、
最終的に学校へまた通えるようになったところで、長かったカウンセリングも終了となりました。
いまではその彼女も社会人です。

 

いま、悩み苦しんでいるお子さん、お母様の、お役に少しでも立ちますように。
そんな思いで長々と書きました。

カウンセリングは、オーダーメイドです。
その子、その子に合ったものを見極め、ご提供する。
何が必要か、それを保護者の方と一緒に考えながら進めたいと思っています。

 

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