相手の気持ちをつかむコミュニケーション その1:「あいづち」

あなたは「聴き上手」ですか?

 

昨夜の月は、赤みが強くて幻想的でしたね。
神奈川・東京の出張カウンセリング、
The Inner Seedで心理カウンセラーをしてる、
松下真由子です。

 

先日から、コミュニケーションを題材に、お伝えしています。
今回は、「相手の気持ちをつかむコミュニケーション」のその1です。

 

まずは下の会話を、場面を想像しながら読んでみてください。

 

【 例1-1 】

A:今日、すごく嫌なことがあったんだ。

B:どうしたの?

A:課長が、取引先へ訪問したんだけどね。

B:うん、うん。

A:大事なプレゼン書類を忘れちゃって。

B:えー!それで?

A:で、私が追いかけて届けに行ったのよ。

B:まぁ。

A:それで無事にプレゼンは終わったみたいだけど、帰社したら課長が、書類の置き場所が悪いから忘れたんだって。

B:えぇ?!

A:作ったお前が悪い!っていうのよ。

B:うわー、責任転嫁!それはひどいね!

 

この会話を例に、考えていきましょう。

あなたはAさんの立場で、同僚のBさんにグチを聞いて欲しくて、上記の会話を始めます。
もし、Bさんが以下の対応だったらどうでしょうか?

 

【 例1-2 】

A:今日、すごく嫌なことがあったんだ。

B:うん。

A:課長がね、取引先へ訪問したんだけどね。

B:うん。

A:大事なプレゼン書類を忘れちゃって。

B:うん。

A:で、私が追いかけて届けに行ったのよ。

B:うん。

A:それで無事にプレゼンは終わったみたいだけど、帰社したら課長が、書類の置き場所が悪いから忘れたんだって。

B:うん。

A:作ったお前が悪い!っていうのよ。

B:うん。

 

 

…いかがでしょうか?

グチったあなたは、スッキリしましたか?
聴いてもらえた感じはしましたか?
「うん。」と返答してくれるBさんは、あなたを無視せず、
話を聴いてる風に聞こえますが、真剣に聴いてくれてはいないように感じますね。
何か作業をしつつ、片手間に聞き流している、そんな情景が浮かびませんか?

 

このBさんの「うん。」は、会話の合いの手、つまり、あいづちといいます。
聴いてますよ、という意思表示です。
でもこの「あいづち」の具合によって、話し手の満足度は大きく変わっていきます。

あいづちには、様々なバリエーションがあります。

「うん。」

「はい。」

「ええ。」

これは皆さんが普段、何気なく使っている基本のあいづちだと思います。
ここで、もしBさんがいっさいあいづちを打たなかったとしたら、
どうなるか考えましょう。多分会話は成立しないでしょう。

 

【例1-3】

A:今日、すごく嫌なことがあったんだ。

B:・・・。

A:課長がね、取引先へ訪問したんだけどね。

B:・・・。

A:大事なプレゼン書類を忘れちゃって。

B:・・・。

A:・・・もういいよ。

 

あいづちを入れないと、こうなります。
Aさんは更にイライラするでしょう。
【例1-1】でAさんが愚痴を言えたのは、Bさんのあいつちがあったからといってもいいくらいです。
それほど、あいづちは大切な会話の潤滑油なのです。

 

さて、このあいづちですが、もっと相手の会話を引き出し、聴いてもらえたと感じてもらうには、どんなバリエーションがあるでしょうか?

 

「それでそれで?」(もっと聴かせて)

「へー!」(驚いた、関心がある)

「そうなの?!」(強い興味)

 

上の3つのあいづちは、「うん。」という基本的なものと少し違います。
カッコの中にある感情が込められているので、
相手により「聴いてもらっている」という感覚が生まれます。

 

【例1-4】

A:今日、すごく嫌なことがあったんだ。

B:どうしたの?(どんな嫌なこと?聴かせてください。)

A:課長が、取引先へ訪問したんだけどね。

B:うん、うん。(それで何が起こったの?)

A:大事なプレゼン書類を忘れちゃって。

B:えー!それで?(あらら!それからどうしたの?)

A:で、私が追いかけて届けに行ったのよ。

B:まぁ。(うわー、大変だったね。)

A:それで無事にプレゼンは終わったみたいだけど、帰社したら課長が、書類の置き場所が悪いから忘れたんだって。

B:えぇ?!(なにそれ!急展開!)

A:作ったお前が悪い!っていうのよ。

B:うわー、責任転嫁!それはひどいね!(とんだとばっちりだったね。)

 

【例1-4】では、【例1-1】のあいづちに込められている感情を、
カッコの中に書きました。
これだけの感情をあいづちの中に込めて伝えれば、
相手は気持ちよく話して、スッキリ満足感を得られるでしょう。


「この人に話してよかった。」

「この人は自分を大事に扱ってくれる。」

「また、この人に話を聴いてほしいな。」

 

それが相手の気持ちをつかむコミュニケーションの第一歩。
是非皆さんも普段何気なく打っている「あいづち」を、
意識的に見直してみてくださいね。

 

 

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